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「丁寧に、誠実に」揺ぎない姿勢で信頼に応える
「お客様の財産に直接関わる仕事だけに、誠実さを大切にして仕事に臨んでいます」と語る篠原先生。建築に関する幅広い知識を生かし、建築と土地を両面から捉えたコンサルティングで、顧客からの篤い信頼を得ている。
森川 まずは先生の歩みからお伺いしたいのですが、学業終了後に初めて就かれたご職業は何ですか?
篠原 電電公社です。そちらで、建築業務に携わり設計等を手掛け、18年ほど勤めました。「建築事務所を開き独立しよう」という夢はずっと持っていましたので実現に向け、勤務中に一級建築士の資格を取得。でも私が独立の準備に入ろうとする頃は、建築の需要は徐々に減っていましてね。他に関連した職業は何かないかと調べるうちに、土地家屋調査士に興味を持ちまして。在職中の平成7年には土地家屋調査士の資格を取得したのですが、自分の勉強と、それまで育ててくださったことへのお礼の気持ちで、2年間ほど勤務を続けていたんですよ。そして「篠原 建築・土地家屋調査士事務所」を開業した次第です。
森川 土地家屋調査士とはどういったお仕事をなさるのでしょうか。
篠原 簡単に説明しますと、たとえば家を建てる時などに、不動産に関する登記を代理人として行います。登記に必要とされる、土地や家屋に関する調査や測量、申請手続きなどを行い、その結果を、法務局に備えてある「土地及び建物登記簿」に反映させるわけです。建物を取り壊したりする時にも、1ヶ月以内に不動産の表示に関する登記をすることになります。また土地の一部を分割して売却する前に土地の分筆登記をします。分筆登記をするには隣接者の承諾が必要で、以前、隣接者の住所が分らず探し回ったこともありました。そんな探偵のような(笑)仕事をすることもあるんですよ。
森川 (笑)なるほど。司法書士のお仕事とはまた違うわけですね。
篠原 ええ。とは言っても我々土地家屋調査士は、司法書士と密接な関係にありまして。我々の登記と並行して、司法書士が所有権の保存などの権利に関する登記を行うわけですから。また、建築士とも互いに関連し合っていましてね。以前に取得した一級建築士の資格を生かして今、土地家屋調査士事務所に建築事務所を併設しています。これによりお客様にコンサルティングを行う時も、土地と建物の両面からご相談にのることができ、「かゆいところに手が届く」サービスが提供できていると自負しています。
森川 ところで、こちらの事務所は開業してどのくらいになるんですか。
篠原 平成10年に開業しましたので、今年で6年目になります。独立は長年の夢でしたから、体力または経営面で大変なことがあっても、そんなに苦労は感じませんでした。ただし、自分の経験がまだ十分でなかった土地家屋調査士の仕事に関しては、お仕事を戴く度にびくびくしていました。中でも、初めて担当した仕事のことは忘れられません。先輩に教えて頂きながら全力を尽くしたのですが、その頃の私にはとても難しくて・・・。一生懸命取り組んでいたのですが、時間がかかることを理由に途中で打ち切られてしまったんですよ。そのときの反省、悔しさをバネに、より一層勉強に力を入れるようになって、自分でも自信がつき始めたのは3年ほど経ってからでした。
森川 そのような経験が、現在まで道のりで、大きな糧となったことでしょう。では、お仕事で最も大切になさっていることは。
篠原 土地家屋調査士というのは、お客様の財産に直接関わってくる仕事。それだけに、丁寧に、きめ細やかに仕事に臨むことを大切にしています。また、お客様の経済状況やその方を取り巻く人間関係が絡んでくることもありますから、その時々の状況に応じ、お客様に決して失礼にならないように、慎重な対応を心がけています。
森川 神経をお使いになるんでしょうね。
篠原 ええ。どれだけ正確な仕事をするかは自分の腕次第ですが、人との関係は、自分のことだけを考えていてはいけませんから。できるだけお客様の気持ちを慮り、ご希望を汲み取れるよう、柔軟性を大切にしています。
森川 では、スタッフ教育で力を入れている点と言いますと?
篠原 資格を取り、開業することを目標に頑張れと励ましています。私自身は50歳というひとつの節目までは、がむしゃらに働こうと思っていますので、その間に2人くらい、一人前に育てあげたいですね。土地家屋調査士としてだけでなく、責任ある大人として、しっかりと自分の足で歩くための手助けをしたい、と思っています。
森川 では、事務所としての今後の展望をお聞かせ下さい。
篠原 今後、社会の様相や法律の改正などによって、土地家屋調査士の業界でも事務所運営は方向性が分かれてくるでしょう。できるだけ料金を下げていくか、もしくはサービスの質向上に、より一層力を入れるか――。私は、当事務所の成長を考え、今後は質の向上をとことん追及していくつもりです。基本である、「当たり前のことを当たり前に」を第一に、これまでのようなきめ細やかな対応や思いやり、それに誠実さを忘れず、一つ一つの仕事に全力をつくしていきたいですね。
森川 私も陰ながら応援させていただきます。頑張ってください!
(取材/平成15年7月)
名論卓説
「『当たり前のことを当たり前に、一つ一つの仕事を一生懸命に』――それが篠原先生のモットーだそう。土地の調査、測量は、お客様の財産を直接扱う仕事。だからこそ、初心を忘れず誠実さを大切にしたい、そんな思いがモットーには込められていて、仕事に対する、先生の真摯な姿勢が窺えます。また、お客様の満足を追求し、コンサルティングをじっくりと丁寧に行う、それも先生のこだわりのひとつだとか。土地家屋調査士という職務内容に不案内な私に、じっくり丁寧に説明して下さったことからも、先生がご自分のモット−を貫いているのがよく伝わってきました。お客様からの信頼が篤いというのも納得する思いです。
『この仕事を始めた時は、仕事に対して自信がなく、先輩に教えられながら毎日ガチガチに緊張していました。でも、一度お客様のご要望に応えられない経験をしてからは、がむしゃらに勉強しましてね。今ではお客様への細やかな気配りもでき、サービスの質も向上したと自負しています』先生はそう語り、『先輩達はもちろんのこと、お客様が私を育ててくださった、と実感しています』と、感謝の気持ちを述べられました。周囲に感謝し、常に自己研鑽し続ける――その姿勢こそが、お客様の信頼を築き上げたのでしょうね。今後も益々のご活躍を期待しています!」
(森川正太氏・談)
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